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サバイバートが現在進行中のドキュメンタリー映像「アートとお金」の、インタビューや関連情報等を蓄積していきます。
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Survivart: Independent Organization for Contemporary Art
by art-and-money
What's this Blog?
東京のインディペンデントなアート・オーガニゼーション、Survivart(サバイバート)が2008年から5年をかけてすすめる、ドキュメンタリー・ムービー・プロジェクト「Art and Money」の活動を随時公開するためのブログです。お金とアートにまつわる独自インタビューのほか、ウェブ上で閲覧可能な情報の収集等を進めていきます。

This Blog is organized by Survivart which is an independent art organization based in Tokyo, to archive the all activities of the documentary movie project "Art and Money" around East Asia from 2008 to 2012.
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Interview: 岡田聡さん
Interview: 岡田聡さん_f0193273_1542682.jpg岡田聡|Satoshi Okada
アートアセファル代表。優秀な精神科医であり、現代美術コレクター。アーティストのサポートにも積極的で、展覧会のキュレーションや、恵比寿にて喫茶・スナックMAGIC ROOM??を運営。また、市原研太郎氏・後藤繁雄氏・ヒロ杉山氏・吉井仁実氏と共にmagical, ARTROOMを設立し、現在は代表をつとめている。

取材日 :2008年8月27日(水)
取材場所:岡田聡氏 自宅




※以下インタビューより抜粋

●質問:作品を買う動機は?
本当はアーティストになりたかった。それと合わせて精神世界にも興味があった。結果、精神科医の道を歩んだ。でも、アーティストになれなかった分、アートを志す若いアーティストを応援したい気持ちで、作品を買っている。アーティストと共闘したい。それが動機です。

●質問:アーティストどこで知合うのか?
縁としか言いようがないですね。以前、小山登美夫さんに誘われて、加藤泉さんと、小出ナオキさんと、KATHYというパフォーマンスグループで行なった、「第一回 魔術的芸術展」というのをやった。加藤さんとの出逢いは、小さなガレージでの展覧会でした。まだまだ無名の頃でした。まず、加藤さんの作品に興味が湧いたので、何回か個展に足を運んだ。そのうち、好きな音楽やマンガなどが共通していて、友達になった。その後加藤さんから、小出さんを紹介して頂くことになった。結局、口コミというか、人と人とのつながりで知り合って行く。
最近はもう少し積極的に、美術大学に行って面白いアーティストを探しに行くなどもしている。コマーシャルギャラリーをはじめたことも理由にある。

● 質問:ギャラリーを開いた理由とは?
今までは個人の力でアーティストを支援していた。しかし、もっと積極的にサポートするには、ギャラリーというシステムが有効かと思う。その方が、これまでのささやかな応援よりも広がりのある応援になる。運営して行くのは大変だが、僕はギャラリー経営で生計を立てて行きたい訳ではない。他のコマーショルギャラリーから見れば、気楽に見えるかもしれないが、いろいろなギャラリーのスタイルがあっても良いと思う。

●質問:ギャラリー運営の目標とは?
マジカルで発表しているアーティストは僕にとってのファミリー。だから、優しくも厳しくもなる。クオリティーの出せない作品を甘く見て売ることは出来ない。それがファミリーとしての意識。古い家長制度の様な共同体ではなくて、水平な広がりのある共同体をマジカルは目指したい。
それと、コレクターの視点はギャラリーをやっても持ち続けていたい。小山さん(小山登美夫ギャラリー・オーナー)や、白石さん(白石コンテンポラリーアート・オーナー)の様にはなれないし。今、マジカルのファン層というかコレクター層が出来てきている気がする。それをきっかけに副次的な人間関係を広めて行きたい。

● 質問:コレクター同士のネットワークがあるか?
日本にも小規模だが、マーケットが出来つつある。コレクターも増えているようだが、僕は直接意見交換をするような場所には行ったことがない。でも、いろいろな展覧会でのオープニングパーティーなどで意見交換しているような事は多くあると思う。確かに僕の所にも1日に何百通ものDMが来てしまうので、知人からの情報は重要だと思う。

● アートマーケットをもっと活発にするには?
最近はアートも雑誌とかにも掲載される様になってはきているが、まだまだクローズなサーキットだと思う。手前みそだが、恵比寿に移ったマジカルは本屋さんとカフェとギャラリーが3件入っている。来て楽しんでもらえる仕組みがもっとギャラリー経営にもあって良いと思った。もともとアートはハイカルチャーだが、パラダイムシフトも必要になっている。公園に奇妙な彫刻を置くとかではなく、所有するという方向性もこれから十分にあり得る。

●買った作品を売りに出すか?
僕は殆ど買った作品は手放さない。でも、今後良い形で寄託するということも出来るかもしれない。作品はアーティストを応援した証拠みたいなものなので、そんなに簡単に売る事は出来ない。でも、売る事がダメだということではない。十分に作品を味わったら、別の人にも味わってもらうのも良いかもしれない。でも、投機目的な価値感で作品を見もせずに、転売するのはお下品かと思う。確かに海外では、ファンドとして運用しているようだし、日本でも少しあるようだが、なんだかんだいって、アートのファンがいて、その周りのそういった人がいるということだと思う。

● 現在アートマーケットが大きくなっている理由は何だと思いますが。
今度サザビースが、9月にダミアン・ハーストの新作だけのオークションを行なうことになっている。つまり、ギャラリーと通さず200点程の作品がオークションに出る。数年前はそういったことはタブーだった。これまではプライマリーギャラリーがアーティストの価格を適正に設定していたが、それを、オークションの市場原理に委ねてしまうのは違和感と危機感を感じている。こうしたことが、若いアーティストにも適用されている。一時期高値が付いたアーティストはそこから値段を下げる事ができずに、売れなくなって行くこともある。オークションに対する注目度が上がっているためか。そのような背景の中で、様々な分野で投資を行なう大規模な投資家がアートを投機対象としている可能性がある。それがアートマーケットを大きく見せている理由なのかもしれない。僕にはリアリティーが持てない。

●今、アートバブルだと思いますか?
多分、アートバブルなんでしょうね。特定のアーティストやギャラリストにとってもバブルだと思う。大半はそうではない。一部のアーティストのバブルが話題になっているだけでは。それも、僕なんかには関係ないところで起ってる感じ。中国は完全にはじけるでしょうね。
by art-and-money | 2008-09-21 01:42 | 03: Interview

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