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サバイバートが現在進行中のドキュメンタリー映像「アートとお金」の、インタビューや関連情報等を蓄積していきます。
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Survivart: Independent Organization for Contemporary Art
by art-and-money
What's this Blog?
東京のインディペンデントなアート・オーガニゼーション、Survivart(サバイバート)が2008年から5年をかけてすすめる、ドキュメンタリー・ムービー・プロジェクト「Art and Money」の活動を随時公開するためのブログです。お金とアートにまつわる独自インタビューのほか、ウェブ上で閲覧可能な情報の収集等を進めていきます。

This Blog is organized by Survivart which is an independent art organization based in Tokyo, to archive the all activities of the documentary movie project "Art and Money" around East Asia from 2008 to 2012.
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Interview: 辛 美沙さん
Interview: 辛 美沙さん_f0193273_0374468.jpg辛 美沙|Misa Shin
アートフェア東京のエグゼクティブ・ディレクター
ニューヨーク大学大学院芸術経営学修士課程卒業。
1999年、拠点を東京に移し、アーティスト・イン・レジデンス、アーカスのディレクター、森美術館広報マネージャーおよびディベロップメントマネージャーを経て独立。現在、アートフェア東京のエグゼクティブ・ディレクターとして活躍。
http://www.artfairtokyo.com/

取材日 :2008年4月6日(日)
取材場所:東京国際フォーラム




※以下インタビューより抜粋
Interview: 辛 美沙さん_f0193273_0385755.jpg●質問:アートフェア東京の目的
アートフェア東京2008年の入場者数48000人。日本のアートマーケットを育てるのが目的。日本人はアートアが大好き。世界中の企画展の入場者数でトップ10の内3〜4館必ず日本の美術館が入る。昨年は、東京国立博物館のレオナルド・ダ・ヴィンチ展が国内で1番、一昨年プライスコレクション伊藤若沖が1番、二番目が藤田嗣治。
でも、日本はアートマーケットが凄く小さく殆どアートを買わない。アートは美術館で見るもので、購入するものという感覚が日本人にはない。見るということと、買うということはアートにとって全く違ったコミットメントで、アートを買わないのには理由がある。
・ 価格が不透明(バブルの後遺症)
・ 画廊の敷居が高い。ましてや値段を聞くというところまで到達しない。
故に、アートフェアではそういった敷居を取っ払ってしまいたい。
・ 作品に値段が全部ついている。
・ 他の作品と価格を比べられる。
・ ブースに入ったからといって、気後れする必要はない。
・ チョイスし易いから、とても気軽にアートを買える。


Interview: 辛 美沙さん_f0193273_0393550.jpg●質問:アートを買っているのは富裕層のイメージがあるが、実際にはどんな人たちがアートを買っているのか?

日本にはお金持ちが沢山いる。でも、ただのお金持ちにアートを買ってもらうのは、もの凄く難しいこと。アートはお金が有るから買うのもでもない。最近の傾向としては、プライベートなコレクターが増えている。今は公立美術館の殆どがお金の無い状態で購入を見送っている。しかし、
今中国ではアートが盛んで、作品価格も高くなり過ぎた、それに比べると日本のアートは、非常に安価で、その割にクオリティーが高い。だから、逆に中国人をはじめアジア各地から沢山日本のアートを買いにくる。


●質問:「日本の代表的な産業としてアートを成長させて行く」には?
「アーティストは清貧でなくてはならない」、「お金の話をすると、クリエイティビティーが十分に発揮できない」などの意見もときどき耳にするが、アーティストであっても、生活や制作にお金は必要になる。まず、その事をもっとオープンにして行く必要がある。

次に、画廊が責任をもってアーティストを育てて行くシステムをつくる必要がある。
それに伴ってプライベートコレクターを育てて行く事が必要。また、アートフェアによって生まれる観光を含めた二次的三次的な波及効果にも目を向け無ければならない。

●質問:アートフェアとオークションの違いとは
アーティストにとって、誰に作品を買ってもらえるのかということは非常に重要になる。オークションでは、誰でも作品を買うことが出来る上に、競売なので、値段のコントロールが出来ない。アートフェアはコレクターの為のファーストチョイスという時間を設けている。そこに来ることが非常に重要。基本的には早いもの勝ちで販売されている。

●質問:今アートマーケットは適正な市場規模といえますか?
まだまだ小さいと思う。バーゼルのアートフェアでは1画廊あたり平均2億円の売り上げだが、アートフェア東京では全体で10億円程度。特に価格の高いものは外国の方が買う傾向にある。

● 質問:アートフェア東京を行なうにあたっての問題
国際フォーラムの使用料金が非常に高い。スポンサーも付きにくい、東京都も全くサポートしてくれない。理由は商業的な活動に支援できないということ。東京都は、アーティストにとって作品を買ってもらうということを深く理解していない。

●質問:今後のヴィジョン
日本のアートフェアなので、日本のアートを売って行きたい。ドバイに行っても、北京に行っても、アートフェアは大きくて、インターナショナルでなくてはならないという縛りが見える。でも私は、ドバイに行ったら中東のアートを見たくなるし、北京に行ったら中国のアートが見たくなる。しかし、近年のアートフェアでは、どこに行っても、ダミアン・ハーストがあって、ジュリアン・オピーがある。だから、日本にまで来てもらって、ピカゾを見せる必要があるのか。日本にきたら、日本の一番いいアートを見てもらいたい。同じ漢字文化圏の東アジアではそれぞれのアートフェアにもっとアイデンティティーを持って、協力して行なう必要がある。

● 今アートはバブルだと思いますか?
こんなのバブルじゃないです。中国はバブルだと思いますよ。

(tatsuya ito)
by art-and-money | 2008-04-06 00:31 | 03: Interview

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