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サバイバートが現在進行中のドキュメンタリー映像「アートとお金」の、インタビューや関連情報等を蓄積していきます。
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Survivart: Independent Organization for Contemporary Art
by art-and-money
What's this Blog?
東京のインディペンデントなアート・オーガニゼーション、Survivart(サバイバート)が2008年から5年をかけてすすめる、ドキュメンタリー・ムービー・プロジェクト「Art and Money」の活動を随時公開するためのブログです。お金とアートにまつわる独自インタビューのほか、ウェブ上で閲覧可能な情報の収集等を進めていきます。

This Blog is organized by Survivart which is an independent art organization based in Tokyo, to archive the all activities of the documentary movie project "Art and Money" around East Asia from 2008 to 2012.
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Interview: 藤高晃右さん
Interview: 藤高晃右さん_f0193273_0294483.jpg藤高晃右|Kosuke Fujitaka
1978年大阪生まれ。東京大学経済学部卒業後、ソニーエリクソン勤務。2004年に日本最大のバイリンガルアート情報サイトTokyo Art Beatを共同設立。アートフェアー101 TOKYOの共同設立者。現在NewYork在住。
http://blog.kosukefujitaka.com/

取材日 :2008年4月4日(金)
取材場所:101 TOKYO 会場内(千代田区 旧練成中学校)




※以下インタビューより抜粋

Interview: 藤高晃右さん_f0193273_021377.jpg●予測人数・販売状況
4日間で5,000人来たらいいなと考えている。プレビューの日が600人くらいで、昨日も600人程度、今日はかなり多めで、土日にどれくらい入ってくれるかが期待。盛況なのでほっとしてます・・・。販売状況も概ね良い感じで、売り上げについては、フェア側はタッチしないが後でヒアリングで確認する予定。(註:結果として、総勢5,000人、約1億円の売り上げ)


Interview: 藤高晃右さん_f0193273_0214539.jpg●アートフェア東京との住み分けは?
僕らはアートフェア東京を補完するような、それだけに留まらず、面白いことができれば、そしてまだまだできることがあるのではないか、と考えている。
もちろん彼らとも協力していっていて、VIPカードでの行き来から、ディレクターメンバー等での打合せ等も含めて行っている。まだまだ小さい東京のマーケットなので、競合というよりも、協力していく感じであり、一緒に行うことでメディアからの注目も受けることができる。アートフェア東京はどちらかというと富裕層等がターゲットになっていくのかもしれないが、僕らは同世代の人たちをターゲットにしていっている。ギャラリーにも行ったことのないような、でもクリエイティブに興味のある若い人たちに、こういうやり方も、こういうこともあるんだな、と伝えていく。


●101Tokyoのそもそもの始まりは?
日本に住んでいるアガサ・ワラ(アーティスト兼キュレーター)、ジュリア・バーンズ(ギャラリスト)らと話している中で、何かできないかという話になり話が進んでいった。時期はやるなら、アートフェア東京のサテライトとしてやるべきじゃないか、とそこは当然のように決まり、海外のギャラリーについては、海外を見たいお客様も多いだろう、東京のマーケットがクローズになってしまうだろうから、海外のギャラリーを呼んでみたらどうだろうと考えた。

●外国人の方たちのフラストレーション
アートについては一歩外出るとみんな英語で話をしているし、東京で疎外感を感じている外国人も多い。TABのときと同じように、外国人の方たちのフラストレーションはある種の原動力でもある。

●今後のビジョン
101TOKYOを続けるなら、internationalなアートフェアというミッションを持っていきたい。
(註:2009年4月2日から5日(オープニング4月1日)という日程で来年度も開催)
日本って、たとえば韓国と比較したときに「なぜ彼らはGDPは1/3なのに、アートは3倍の規模、つまり実質は9倍の差があるのだろう」と考えてみると、僕らが見えないところでもっと他のやり方があるのかもしれない。
自分自身としては、それが原動力で、TABも情報のやり取りをFreeにしたら、見えないものも見えてくるという考えで、そして今回も堅苦しくやらないで、面白いことをみんなで寄せ集めてやってみたら、それでアートが活性化できていけばいいと考えている。
僕個人としては、なんらかの反応になるだろう、と思いお金にもならないけど、社会的に意義がなんとなくあるだろうと思ってやっていて、この半年間は正しい、面白いということに関しては正しいだろうと信じていたけど、不安要素がたくさんあって、なんとなく組み合ってきてやっとできるかな、という感じになってきた。webに比べたら不安要素や、コントロールできない要素が多くて、それが結果的に面白いことでもあるのだけど、そこは違ったことでもある。

●アートへの考え方について
アート作品が買うもんだ、と強調しないといけないのかもしれないと考えている。
たとえば、ルーブルに行ってモナリザを見に行くというのが正解Aで、上野で、西洋美術館で西欧作品を見るのが正解Aダッシュ、と、そういう体験だけがアートではないです、というのを伝えていかないといけない。
たとえば、上野の美術館は世界でトップ10に入るというけど、実際行くと人の頭ばかりであり、そしてそこにばかり視線が行くから、作品は買うものでもないし、尊敬するべきもの、みたいな考え方ができてくる。そして、それはおかしい気がする。

●ビジネスとして
今回のフェアでは、感覚としては、費用のうち1/3出展料、1/3スポンサー料、1/3無償労働、となっているはず。ある種赤字で、2年目のビジネスモデルも明確には描ききれていないし、5回やったら元採る、くらいの採算なイメージでもあるが、それでいいのかもよくわからない。
アートマネージメントの前に、仕事を作る人が増えないとマネージメントの対象がない。
アートに関することで起業しないと、と思うが、起業するにはお金がいるので、ITベンチャーにお金を投資する前にアートへお金を振り分けてくれる、ものわかりのいい人がいればいいとも思う。
それに対して、もちろんベンチャーキャピタルに話を持っていく、というのはある種の正解なのかもしれないけれど、どういう風に話を持っていく、ということをアート側に人材がいないし、アートフェアをやる人に対しても、そういった知恵を出す人がいないのが現状である。

●景況感は?
東京はまだ、右肩上がりっぽい。欧米は株式市場の影響もあり、市場が縮みがち的。ニューヨークは、寄付金助成金が減るから厳しい、と昨年くらいからシビアに言われている。韓国はいきすぎなんではないか、と言われる方もいるくらいで、中国はいきすぎなんではないか、というのはみんな言っていること。東京は海外に比べて安い市場なので、そういう意味ではまだ右肩上がりなんだろう。

(tatsuya ito)
by art-and-money | 2008-04-04 00:00 | 03: Interview

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